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JR完全乗車の旅JR complete

2016年9月18日(日) ついに到達、最南端への旅(1)


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九州散策の旅、3日目がスタート。
雨は夜のうちに止んでいたようですが、あまりすっきりとしない空模様です。





泊まったホテルからまた30分弱歩いて、熊本駅まで戻ってきました。
ちなみにこちらは、昨日とは反対側の新幹線口です。





乗り放題切符、3日目の押印。
既に昨日までの2日間で十分に元は取れていますが、今日もまだまだ乗車すべき路線が沢山あります。





今日はまず、熊本駅始発の盲腸路線である三角線(みすみせん)に乗車します。
三角線は「あまくさみすみ線」の愛称があるのですが・・・愛称の方が長くて覚え辛い名前というのは、どうなんでしょうかね。





とにかく、今日も完乗の旅スタート。





三角線は熊本を出発し、有明海を臨む沿岸部を通りつつ、宇土(うと)半島の三角岳付近まで至ります。
途中までは海沿いに進むのですが、終盤になって山を登り始め、宇土半島の内陸部を通り抜け、半島の反対側に出たところで終着となります。
短い中にも、海辺の通行と山越えを体験できる路線になっています。





熊本駅から50分ほどで終点の三角駅に到着。





三角線の線路はここまで。





改札を出て、駅の様子を見てみます。
想像していたよりも綺麗な駅舎ですね。
日光駅のような、どことなく高級感ただよう雰囲気すらありますね。





三角駅入り口。
三角駅」の表示が、色合いの関係もあって、遠くからは見辛いものになっています。





三角駅外観。





三角駅前の様子。
近くにあるピラミッド型の建造物は、フェリーターミナルだそうです。
近くまで行ってみたい所ですが、この駅での待ち時間は8分間しかないので、辺りを散策する余裕は無さそうです。
次の列車に乗り遅れると大事なので、この辺で駅の中に入るとします。





乗車するのは、当然のように先ほども乗ってきた、まさにその車両。
盲腸路線を乗車する際には、よくあることですよね。

帰路も約50分かけて、本日の出発地である熊本駅に戻ってきました。





早朝から一つ路線を完乗してからの、熊本駅(再び)。
ここからは、鹿児島本線から肥薩線(ひさつせん)に入り、鹿児島県に至ります。
どうやら、列車の名前は「いさぶろう1号」という快速列車のようです。
発車の時間まではまだ余裕がありますが、景色の良い席を確保する為にも、早いところ乗車しておく事にします。





・・・えっと、観光列車っぽいこいつで間違いないのかな?





いかにも観光列車っぽく、内装も豪華な感じの造りになっています。
おまけに、車両には「指定席」の文字が。

・・・う~む、事前の調査では、乗り放題切符で乗車できるはずなのですが、大丈夫なのかな?
気になったので車掌さんに聞いてみたところ、「座席番号の無い席なら大丈夫ですよ」とのこと。





車内に入ると、ほとんどの席に座席番号が付いていて、そちらは指定席なのですが、各車両に何席かずつ、座席番号のついていない席がありました。
おぉ、ここなら自由席扱いで乗車できるのか!

・・・でも、微妙に他の席と比べて椅子が固いような。というか、クッションが全くない木製の椅子そのままですな。こんな微妙な所でランク付けがされているとは・・・。
まぁ、これも自由席に乗れるだけマシという事で、十分我慢できる範囲ですけどね。





列車内には、前方に液晶モニターまでついていて、いかにも普通とは異なる普通列車ですね。
もともとは観光列車を選んで乗るつもりは無かったのですが、3時間近くも乗り換えなしで座って快適に旅ができるのなら、ラッキーだったかもしれませんね。


せっかくなので、この「いさぶろう号」について調べてみました。

この「いさぶろう号」は熊本から人吉方面に1日2本運転されている、部分快速列車とのこと。反対の人吉から熊本方面の列車は「しんぺい号」という名前だそうです。
名前の由来は、肥薩線の人吉ー吉松の区間が開業された時の逓信大臣(当時は交通も管轄していた)であった山縣伊三郎から「いさぶろう」、同時期の鉄道院総裁であった後藤新平から「しんぺい」と名づけられたそうです。
この人吉ー吉松は山深い場所を通ることもあり、鉄道敷設にあたっては難工事の連続であり、開通の偉業を称えて2人の名前が列車名に付けられたのだそうです。

その歴史が語る通り、肥薩線はまさに「秘境」を通る路線。
今回は「いさぶろう号」に乗車し、その秘境を体験しようと思います。

(参考までに、いさぶろう号・しんぺい号の公式ページ)
https://www.jrkyushu.co.jp/trains/isaburou_shinpei/





車内で案内役のおねえちゃんに渡された、肥薩線の案内チラシ。
チラシにある途中駅は、いずれも秘境駅として名の挙がるものばかり。
この後、紹介していきます。





我らが「いさぶろう1号」は熊本駅を出発し、鹿児島本線を駆け抜けます。
山の方には雲がかかっており、天候が心配されますね。
もちろん列車に乗っているので、雨そのものは大丈夫なのですが、せっかく景色が良い区間を通るので、車窓の風景が良いものになれば、という心配です。

ちなみに、いさぶろう号で景色を堪能したければ、必ず進行方向に向かって左側に座るようにしましょう(当然、私は予習のうえで臨みました)。





新幹線の駅でもある、新八代駅に到着。
次の八代駅からは、いよいよ肥薩線に入っていきます。





肥薩線と並行して流れるのは、一級河川の球磨川(くまがわ)。
日本三大急流の一つでもあります(他には、最上川・富士川)






急流の球磨川は、雨のせいか水量が多い状態でした。
でも、思っていたより「急流」と言うほど流れが急には感じませんでした。





車窓から球磨川がよく見えるのも、進行方向左側(線路の東側)です。
私のように川を好物としている方は、ぜひ覚えておいてください。





途中の坂本駅。
昔ながらの木造作りで、いい味出している駅舎ですね。





いさぶろう号は、その後も球磨川に沿って、熊本県の山中を駆け抜けます。





熊本駅を出発して約1時間半、人吉駅に到着しました。
肥薩線は、八代からここ人吉までが「川線」と言われ、文字通り球磨川と並走してきた前半戦という感じでした。
一方、これから通る人吉から終点の吉松までが「山線」と言われ、熊本・宮崎・鹿児島の県境の山々を越える後半戦となっています。
いずれも九州の自然を車窓から楽しめるのが肥薩線です。

また、ここ人吉駅は乗換駅でもあります。





国鉄時代の湯前線(ゆのまえせん)から三セク化した「くま川鉄道」の始発駅でもあります。





くま川鉄道としての駅名は、「人吉温泉」駅です。
こういう風に元々は国鉄やJRで、三セク化したような路線も網羅していきたいですね。
JRの完乗がひと段落したら、そちらの旅もしてみたいと思っています。

さて、人吉駅に着く前の話ですが、案内役のおねえちゃんから、弁当注文の勧誘がありました。
何でも、「栗めし弁当」が1,100円で注文できるとのことで、この人吉駅で品物が積み込まれるのだとか。

私自身、今日の昼食のアテは無かったし、時間帯的にも小腹が減ってくる頃でもあったので、一も二もなく注文していたのでした。





予定通り、人吉駅にて運び込まれてきた「栗めし弁当」、1,100円。
すぐに開けて中を見たい所ですが、列車はこれから「山線」の一番の見所である秘境ゾーンを通ります。
食事をしていてシャッターチャンスを逃すと後悔しそうなので、弁当を堪能するのは、終点に着いてからにします。

列車は人吉駅を出発し、しばらく山中を進みます。





長めのトンネルを抜けた後、列車の左側に別の線路が見えてきます。
単線の路線で山中を通行中、別の線路が見えてきた・・・となると、定番なのは「スイッチバック」ですね。
ちなみに、向こう側の線路は前方で緩く左側に大きくカーブしており、「ループ線」にもなっています。

そう、ここは全国で唯一、ループ線の中にスイッチバックがある駅なのです。





その駅とは、大畑(おこば)駅。
路線の特殊性もそうですが、駅名も難読で知られています。





ついに降り立った、九州の秘境駅!

・・・だけど、観光列車いさぶろう号に乗っての到達なので、駅は大勢の人で賑わいました。
次に来る時には普通の列車で、一人でひっそりと来たいものですね。





それでも、せっかくの秘境駅訪問なので、駅舎を散策します。





大畑駅名標。
ちなみに、壁などに沢山貼ってあるのは、名刺です。





何でも、大畑駅に名刺を貼ると出世する、という言い伝えに影響されて、我先にと多くの人が自らの個人情報を暴露しているようなのです。
信じる信じないは人それぞれとして、この名刺の山は秘境駅の風景としては、いかがなものなのでしょうね。
そんな賛否はともかくとして、この名刺の山が大畑駅の風物詩となっています。





大畑駅外観。
さすがに外の壁には貼らないんですね。

おかげで、風情のある駅舎が外見は綺麗に保たれています。





駅舎の中。
ここも名刺が壁を埋め尽くすほどです。





ループ線の中のスイッチバックのある、名刺に埋もれた大畑駅を後にします。

大畑駅を出発した列車は、先ほどとは進行方向を逆にして、バックする形でしばらく走行してから一旦停止します。





モニターに映し出された、列車前方の様子。
今、右側の線路(赤信号の方)からバックでここまで後退して停止しています。
この後、ループ線である左側の線路(青信号の方)を大きく左回りにぐるっと一周ながら、らせん状に山登りして行きます。





山を登っていくと景色が開けてきて、遠く球磨盆地や遠くの山々が見られるようです。





・・・やっぱり今日は見られないか。残念。





さて、ループ線を回ってくるということは、ちょうど一周する辺りで大畑駅が再び見えるはずです。





山中の木々の間を走り抜けると、少し視界が開けた場所に出ました。
遠く、向こう側の霧掛かった辺りをよく見ると・・・





おぉ! 霧の中に、先ほどのスイッチバックした地点と赤信号、それから奥のほうに大畑駅のホームが見えます。
昔、蒸気機関車が運行されていた頃は、列車が急坂を登る事ができないので、こうやってスイッチバックやループ線を使って、山中の急勾配を切り抜けていたのですね。

現存する秘境駅の中でも、トップクラスの特殊性を持つ大畑駅を後にし、次なる秘境駅である矢岳(やたけ)駅に向かいます。





熊本県最南端の駅、矢岳駅に到着しました。
先ほどの大畑駅の標高が294mであるのに対して、矢岳駅は536m。
2駅間の路線距離が9.5kmですので、これを標高差で割り算すると、蒸気機関車の勾配限界に近い25‰(1000mの進行に対して25mの高度上昇)とほぼ一致します。
本当に、地形に合わせての線路配置をした上で、性能限界まで挑んでの山越えだったのですね。





昔ながらの矢岳駅名標。
こちらは、先ほどの大畑駅と違って名刺は無く、秘境駅ならではの落ち着いた雰囲気となっています。





駅舎そのものも、大畑駅と似ていますね。

ちなみに矢岳駅には・・・





SL展示館があり、展示されているSLと記念撮影を撮ってくれたりします。





もっとゆっくり散策したい所ですが、この駅での停車時間はわずか4分。
ここも大畑駅同様、次に来る時は普通列車で、しっかり時間を確保して下車したいものですね。

さて、矢岳駅を出た列車は県境を越え、宮崎県入りしました。
この辺りは非常に眺めが良く、「日本三大車窓」の一つとしても知られています。

天気がよければ、はるか遠くの鹿児島県の桜島や、開聞岳(かいもんだけ)まで見られるとのこと。
さぁて、今日の展望はどんな感じかな・・・?





む・・・。やっぱり雲が厚いか・・・。
とは言っても、かなり景色が良いのは確かで、ふもとの街くらいまでならはっきり見えます。

ここで観光列車いさぶろう1号は、撮影タイムの為に一時停車してくれます。
まぁ、停車してくれても雲は晴れないのですが、それでも十分に見ごたえのある眺望を満喫する事ができました。

矢岳越えを終えた後、列車は山を下っていき、宮崎県内では唯一の肥薩線の駅である真幸駅(まさきえき)に到着しました。





真幸駅名標。
ここは、先ほどの大畑駅と並んで肥薩線のスイッチバック駅としても知られています。

駅名が「せに入る」に通ずるという縁起の良さもあって、入場券を買い求める人も多いようです。





真幸駅は1911年に開業した、宮崎県内の最古の駅だそうです。
開業100周年を迎え、今後ますます利用客が増え・・・ることはあまり無いだろうけど、今後も地域の足として機能しつづけてほしいものですね。





なお、駅前には地元の人がおみやげや記念品を販売する売店が並び、真幸駅は賑わいを見せていました。
・・・って、秘境駅っぽくないな。

やっぱり次回は、普通列車で誰もいないタイミングで来るとしよう。





また、駅のホームには駅名にちなんだ「幸せの鐘」なるものがありました。
何でも、

「ちょっと幸せの方は一回
 もっと幸せを願う方は二回
 いっぱい幸せの方は三回鳴らしてください

とのこと。
・・・テンション高き観光客が、面白がって鐘を沢山鳴らしたのは言うまでもありません。





真幸駅を後にし、列車はいよいよ終着駅に向かいます。
たった3時間弱の旅でしたが、非常に盛り沢山の肥薩線でした。

今後、是非また再訪しに来るとしましょう。





終着駅、吉松駅に到着しました。
ただ、肥薩線そのものはこの先もまだ続くのですが、今日は一旦ここまで。
残りの部分については、明日乗車予定です。

さて、ここ吉松駅からの次の列車までは30分程の時間があります。
時刻もちょうど昼前ということで、先ほど購入しておいた栗めし弁当を開封してみます。





見た目そのままの栗めし弁当。
全国あちこちの駅弁って、容器が凝っていたりして、面白いですよね。





栗めし弁当の中身。
栗ご飯をメインとして、野菜などがバランスよく入っていて、食べ易い内容です。
まぁ、逆に言えばカロリー控えめで、若者には物足りないとも言えます。

味は、濃すぎずバランスが取れていて、まさに良作クラスの弁当ですね。
容器は捨てずに持ち帰り、洗って別のことに使用するとします。





食欲も満たされた所で、列車に乗車します。
次の路線は吉都線(きっとせん)といい、ここ吉松駅と宮崎県の都城(みやこのじょう)駅を結ぶ1時間半ほどで繋ぐ路線です。





列車は吉松駅を出発。
相変わらず雨雲の立ち込める、怪しげな空模様です。





吉松駅の隣、鶴丸駅。
吉都線の鹿児島県内の駅はここまでで、この先は宮崎県に入ります。





吉都線は宮崎県の平地部分を走り抜けます。



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