2015年12月13日(日) 増毛祈願?の旅(1)
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昨日、聖飢魔Ⅱの札幌ミサ参拝を果たし、この旅最大の目的は達成することができました。
あとは今日、自宅に帰ればいいだけなのですが、せっかく札幌まで来たのですから、当然ながら乗りつぶしを行ってから帰宅することにしました。
今日は、乗りつぶしが難しい2路線に乗車する予定です。
ただ、今日の全行程を1日でおさめるには、鉄道以外の移動手段も色々と取り入れる必要があります。
完乗の旅は、何も18きっぷで鉄道だけ乗っていれば良いわけではない、という事を紹介することになるでしょう。
朝6時半の札幌駅。
これから、様々な移動手段による旅が始まります。
青春18きっぷ、2日目は札幌駅からの入場。
この日の最初に乗車するのは、札沼(さっしょう)線。別名「学園都市線」です。
早朝にもかかわらず、札沼線に乗車する人は割りと多いです。
まずは、途中の石狩当別行きの列車に乗車します。
40分程で、終点の石狩当別駅に到着しました。
石狩当別の駅名板。
次の列車までは27分間の空きがあるので、駅の外に出てみます。
石狩当別駅の南口。
南口からの風景。
写真の左側に写っているのは、町の鳥「ふくろう」にちなんだ、ふくろう型の観光案内板です。
ちなみに、現在の気温はー0.3℃。
北海道としては暖かい朝ですが、横浜市民からしてみると、年に一度あるかないかくらいの冷え込み具合です。
こちらは、駅の北口。
この辺りは札幌方面への通勤・通学客が多く、北海道のローカル線にしては珍しく電化区間でもあります。
(何でも、JRの輸送力強化により、ここ数年で電化を果たしたとの事)
ここからの札沼線は非電化区間となり、列車の運行本数もぐんと減ります。
次の列車は、札沼線の終着駅である新十津川まで行きます。
「学園都市線」という名前は、沿線に北海道医療大学のキャンパスがあることにちなんでつけられたものです。
学生や大学関係者のへの便宜を図るため、次の北海道医療大学駅までは電化かつ本数が多く、それ以降は真のローカル線の様相を呈している、という事です。
石狩当別を出発して40分後、途中の石狩月形駅に到着しました。
列車はここで10分程度の停車をするとのことなので、改札の外に出てみます。
石川月形駅の駅舎。
石狩月形駅の地獄表・・・もとい、時刻表。
ここから新十津川方面への列車は1日に7本あるのですが、終点までいくのは3本のみ。
この路線も、全国各地の秘境線と同様、きちんと乗車計画を立てて挑む必要があります。
出発の時間が近づいてきたので、そろそろホームに戻って列車に乗車します。
列車はその後も、雪原の真ん中を進みます。
本路線は、すぐ横を国道が併走しているので、それほど秘境感があるわけではありませんが、北海道の雄大な平原を堪能することができます。
札幌を出発してからおよそ3時間後、札沼線の終着駅である新十津川駅に到着しました。
新十津川駅名標。
新十津川駅のホームと、右側に駅舎。
列車でここに来るには、1日たった3回のチャンスをとらえなければなりません。
それだけに、こういうチャンスのあるときにぜひ乗っておきたかった路線です。
札沼線のどん詰まり方面を望みます。
線路のすぐ向こうには、行き先をふさぐ様な形でアパートが建っています。
後ほど、近くに行って見ようと思います。
かなり小ぶりな、新十津川の駅舎に入ってみます。
駅発着の時刻表。
今乗ってきた列車は13分後に出発、その後は3時間後、さらにその6時間後の3回のみ使用される駅です。
※ちなみに、2016年3月26日のダイヤ改正において、当駅は発着が1日1本のみの超過疎駅となってしまいました。
その1本は、まさに今乗ってきた列車。ついに、日本一終発の早い駅(午前9時40分)となりました。
考えたくは無いけど、「廃止」の2文字がよぎりますね。
新十津川駅舎外景。
建物というより、待合室という感じですね。
すると、乗ってきた列車が折り返し出発する時刻を迎えました。
1日3回しか出発風景の無い駅、ここは列車を見送るのも乙なものですね。
列車を見送る、超過疎駅には似つかわしくない子供たち。
何でも、近くの保育園の園児と先生による、毎日恒例の出迎えと見送りだそうです。
この園児たちのかわいらしい出迎えと見送りが、新十津川駅の名物にもなっています。
鉄道環境としては秘境ですが、寒々しい感じがしないのは、訪れる「人」のお陰なのかもしれません。
さて、列車を見送ってしまったとなると、次の列車は3時間後。
それまでどうするのか?というと、実は新十津川駅は列車以外の脱出方法があるのです。
駅周辺図。
札沼線の線路はここで終了ですが、道路を歩き川を渡ってしばらく行けば、函館本線の滝川駅に至ります。
滝川駅・・・。そう、昨日も立ち寄った滝川駅です。
ここから滝川駅までは、およそ3kmということで、充分に徒歩圏内です。
調べてみると、この区間は一応バスも通っているようですが、北海道の大地を歩くという機会はそうそう無いことなので、今回は徒歩にて滝川駅まで行くことにしました。
(天候が悪かったりしたら、流石にバスを選択していたとは思います)
道路はきちんと整備かつ雪かきがされていて、実に快適に歩くことができます。
せっかくなので、徒歩ついでに札沼線のどん詰まりも観察してみるとします。
新十津川駅からさらに線路終着方面へ進んだところから、駅方向を見た風景。
どん詰まり方面。見事に、線路の延長上に建物が建っています。
。
まさに線路の終着地点。
そもそも札沼線は、1931年の開業当時の終着駅は、もっと先の留萌本線にある石狩沼田駅でした。
路線名も、札幌と石狩沼田を結ぶから札沼線というわけですね。
その後、営業不振につき1972年に新十津川ー石狩沼田間が廃止され、結果的に新十津川が札沼線終着となったという経緯があるのです。
廃止となった区間の線路は撤去され、農地や住宅地となり、今に至るというわけです。
その線路の先にあるアパートの場所にも、昔は線路が走っていたというわけです。
そして今、その札沼線はさらに廃止されるかもしれない状況におかれています。
新十津川駅を離れ、徒歩で滝川駅に向かいます。
途中、石狩川の支流である徳富川(とっぷがわ)を渡ります。
橋の名前は「新十津川橋」。
徒歩による北海道旅行に、間近にせまる北海道の川。
やっぱり、自然を肌で感じたかったら、徒歩に限りますね。
もちろん、列車の旅で車窓から見る景色も良いですが。
川の流れはそれほど急ではないものの、凍てつくような水温であることは確か。
眺めていると、それだけで背筋が凍ってくるような感覚です。
北海道の雄大な雪原の風景。
先ほどまでは列車から眺めていましたが、実際に歩いてみると、そのスケールは想像以上ですね。
途中、雪かきが中断された道。
道路があることを示す矢印 ↓ が寂しさを感じさせます。
続いて見えてきたのは、北海道を代表する一級河川「石狩川」。
ここも、きちんと整備された橋で歩くことができます。
一級河川だけあって、広い河原です。
そして迫ってきた、石狩川。
川は非常にゆっくりと流れていき、静かに流れる時間さえも感じさせてくれます。
川の上流側。
北海道の雪の風景は、徒歩の旅ですら楽しいものにさせてくれます。
河原にある、盛り土。
これは・・・ゴルフ場のグリーンか!
そうやって観察してみると、確かにフェアウェイやグリーンが、あちこちに見えます。
川を渡り終えたところで、滝川市に入りました(先ほどまでは、新十津川町)。
そう、今は滝川駅に向かっているんでしたね。
・・・と、ここであることに気付きました。
次の乗車の時間まで、かなりギリギリだ!
そう。新十津川駅での見送りや、川の写真撮り等に執心しているうちに、つい時間を忘れてしまっていたのです。
現在地点から滝川駅までは1km強、残り時間は18分。しかも宿泊荷物持ち。
これ、多分走らないと間に合わないな。というか、道に迷ったりしたらアウトだな。
次の列車、もし乗れなかったら今日の目的の一つである、廃止予定の路線に乗車できなくなってしまいます。
ということは最悪、その路線の乗車機会を一生失ってしまうかもしれません。
たまらず走り出しますが、ずっとは走り続けられないので、小走りと早歩きとを繰り返しながら先を急ぎます。
そして・・
駅の玄関に、10時32分に到着。
列車の発車まではあと7分。 間に合った!
実際には、これから切符を買ってホームまで向かう事を考えれば、本当にギリギリでした。
億劫して歩いていたら、確実に乗り遅れていましたね。
JR完乗の旅、最後に必要なのは「脚力」と「諦めない心」ですね。
切符を購入。
わざわざ特急列車なのは、この時間帯にそれしか乗車できるものがないからです。
これより1本遅らせると、これからの行程の実現は不可能となってしまうので、多少の出費は仕方ありません。
乗車するのは、旭川方面へ向かう特急オホーツク3号、網走行き。
ホームに降りるのとほぼ同時に、列車が入場してきました。
あぁ、本当に間に合って良かった・・・。
途中、対向列車の遅延が発生した関係で、深川駅には10分弱遅れての到着となりました。
深川駅名板。
本来、深川では14分の待ち時間があったのですが、遅延の影響でその余裕も無く、すぐさま留萌(るもい)本線の普通列車に乗り換えます。
留萌本線は乗客が多く、お立ち状態での乗車となります。
峠下駅(駅名の看板のみ)
幌糠(ほろぬか)駅。
幌糠駅舎(コンテナ?)。
藤山駅。
藤山駅舎。
大和田駅。
大和田駅舎(コンテナ?)。
留萌川を渡ると、列車は路線名にもなっている留萌駅に至ります。
留萌駅に到着しました。
留萌駅は、北海道中部の日本海沿いに位置し、数の子生産日本一のまちとして知られています。
今日ここへ来たのは、留萌本線の一部が2016年度中にも廃止となる見通しだからです。
対象となるのは、ここ留萌から終着の増毛(ましけ)駅までの16.7kmの区間です。
この日、留萌本線は廃止を危惧する鉄道ファン達で満員に近い状態となっていました。
3月に北陸本線の一部廃止の時に列車が混雑するのに遭遇しましたが、今回もそれに近い状態なのでしょうね。
(2015年3月7日の旅日記参照)
※ちなみに、この後の2016年6月28日に、同区間の廃止日時を2016年12月5日とすることが決まりました。
そして廃止前日の12月4日、留萌ー増毛間の路線は、95年間の歴史に幕を閉じることになったのでした。
列車は、留萌駅で少し長めの停車をします。その理由は・・・
2両編成の列車を切り離し、1両編成にするためです。
留萌駅ホームから、増毛方向を望みます。
ここも今後、路線が寸断されてどん詰まりの風景になってしまうのでしょうね。
外へ出て、留萌駅の表示だけでもカメラにおさめておきます。
停車時間はそれほど長くないので、乗り遅れないようにすぐに駅の中に戻ります。
留萌駅の発着時刻表。
増毛方面の時刻表も、近々無くなってしまうのですね。
最初で最後となるかもしれない、留萌本線(留萌ー増毛)の旅が始まります。
留萌本線は、留萌以降は進行方向右側に日本海を望む路線を走ります。
遠く、向こう側の半島方向に向けて列車は走っています。
留萌から2駅目の礼受(れうけ)駅。
留萌本線は、この駅のように独特の響きがある名前が多いことでも知られています。
礼受駅舎。
阿分(あふん)駅。
信砂(のぶしゃ)駅。
舎熊(しゃぐま)駅。
舎熊駅舎。
朱文別(しゅもんべつ)駅。
写真に不自然な白塗りがあるのは、写真に人が写りこんでしまったため、プライバシー保護の観点からです。
朱文別駅舎。
箸別(はしべつ)駅。
白塗りは、同じ理由です。
やがて列車は、終点近くの増毛港に近づいてきました。
増毛港が見えてくると、終点はもうすぐです。
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