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JR完全乗車の旅JR complete

2016年3月20日(日) 北の大地、徒歩の旅(1)


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昨日の増毛での壮絶な戦いから一夜明けて・・・
体調はすっかり良くなりました! (お腹はやっぱり重いけど)
今日はたくさん歩く予定ですが、体調的にも問題無さそうです。
そもそも、今日の旅が一番重要なのに、食い過ぎで断念してしまったら、間抜けな話ですからね。
とりあえずは、旅を予定通りに実行できそうな体調で良かった。





宿泊用の荷物はホテルの自室において置き、身軽な格好で外へ出ます。
本日の天候は晴れ、予想最高気温は10℃と、この時期の旭川としては暖かい気候。
徒歩で散策をするには、絶好のコンディションです。





今日は発車時刻が9時過ぎなので、昨日に引き続き遅めの活動開始です。
毎回こうだと完乗の旅はもっと楽なのですが、日数を減らしたほうが金銭的な負担は少ないもの。
大抵は始発から移動を開始する事になるのも、仕方ないですね。





今日は、まず特急列車に乗車して、白滝駅まで行きます。
なぜ特急列車なのかと言うと、ちょうど良い時間に普通列車が無いから
まぁ、ローカル線ではしばしばある事ですよね。

そして、私が今日どこへ行こうとしているのかも、これで分かりましたね。
そう、今日の旅は
廃止となってしまう駅(白滝シリーズ)を訪れる旅なのです。
(正確には、白滝駅だけは今後も維持されるので、それ以外の3駅という意味なのですけどね)





石北本線の白滝駅付近の路線簡略図。
現在、「白滝」と名の付く駅は、旭川側から順に
上白滝、白滝、旧白滝下白滝の4つがあります。
しかし、あと1週間で白滝駅以外の3駅はまとめて廃止となってしまうのです。
今回は、この4駅を全て巡ってしまおうという訳です。

・・・ただし!
廃駅となるような駅に頻繫に列車が停車するはずもなく、鉄道利用のみで1日でこの4駅を巡るのは不可能です。
そこで「駅間を徒歩にて移動する」ということになるわけです。
幸い、この4駅間は徒歩での移動に無理が無い程度の間隔ですので、日ごろの運動不足も兼ねて、今日は北海道の大地を歩いて移動していきます。

ちなみに、上白滝の手前には
奥白滝という駅もあったのですが、そちらは2001年に廃止され、現在では信号場になってしまっています。





そんな白滝シリーズを訪れる旅を、ここ旭川駅から始めるとします。





ちょうどよい普通列車の時間が無いという理由で、特急列車に乗車します。
目的の白滝駅までは停車駅の個数で言うと2つ目ですが、その距離はざっと85.9kmあります。





それでは白滝シリーズ訪問の旅、いざ出発!





特急列車の座席は当然ながらロングシートではなく、楽な体勢で景色を堪能する事ができます。





ひととき、北海道の雪原風景を楽しみます。













時には川の風景も見られます。









40分後、停車駅である上川に到着。





ここで、旭川ー白滝間のおよそ半分。
まだあと40分ほどかかります。













旭川から1時間半で、目的の白滝駅に到着しました。





白滝シリーズの拠点となる白滝駅。
この駅は特急が停車し、かつ今回のダイヤ改正でも廃駅にはならず、存続し続ける駅です。
しかし、当駅の両隣の駅はいずれも廃止になってしまう為、この駅名標が見られるのもあと一週間のみです。





白滝駅で乗客を数名降ろし、去っていく特急列車。





白滝駅のホーム。こちら側は除雪がそこそこされていて、歩くのには困りません。
それでも、ところどころ凍結してしまっているので、滑らないよう注意は必要です。





対して、向かい側のホーム。
駅名標があるものの、使用されることが無い部分なのか、除雪された後も雪が積もってしまっています。





駅のホームから見た、白滝駅舎。





駅内の通路を使って線路を横断し、駅舎に入ります。





白滝駅の時刻表。
上り方面は1日4本、下り方面は1日7本と、全国の秘境駅と比べると決して少なくは見えません。
・・・が、注目すべきは、下り方面の「
通過駅」の記載。白滝シリーズの停車駅を確認してみると・・・

7時10分発の列車:通過駅/生野  この列車は旧白滝・下白滝の両駅に停車します。 
9時16分発の列車:
通過駅/旧白滝・下白滝
10時20分発の列車:
特急列車なので、旧白滝・下白滝には停まらず。
14時33分発の列車:通過駅/旧白滝・下白滝
16時32分発の列車:通過駅/旧白滝・下白滝
20時36分発の列車:特急列車なので、旧白滝・下白滝には停まらず。
20時46分発の列車:通過駅/旧白滝・下白滝

ということで、下り列車で旧白滝・下白滝に停車するのは、7時10分発の列車のみという事です。
「普通列車」と「各駅停車の列車」が違うということが実感できますね。

ちなみに、上り方面で言えば、4本のうち上白滝に停車するのは17時02分発の列車のみ
こちらも「地獄表」っぷりが想像できますね。

今日は、鉄道界の陸の孤島とも言える、これら3駅を徒歩で訪れることになります。



さあ、駅の様子も一通り撮ったし、そろそろ出発するかと思っていたところ・・・
一人の男性が駅舎に入ってきて、何やら作業を始めました。
何をしているのか見ていると・・・





何と、駅の運賃表に、ダイヤ改正後の運賃表を重ねてみているではありませんか。
新旧2つの運賃表が並ぶ姿。これって、相当珍しい光景なのでは?





こちらが現在の運賃表。
ちゃんと、白滝シリーズが4つ並んでいます。





それに対して、こちらは新しい運賃表。
白滝シリーズは、白滝駅を残して消滅しています。
どうやら、この男性はJR関連の職員なのでしょう。
鉄道マニアでもめったに見る事は無いであろう、貴重な光景を見させていただきました。

さて、今度こそ出発しようと思った所、今の男性が乗りつけてきた乗用車を見つけました。





車の中に、生田原駅の新運賃表も見つけました。
おぉ! これまた貴重な光景!

他の駅の運賃表もあるなら是非見たいところですが、業務の邪魔をしては申し訳ないので、旅を続ける事にします。





10時39分、白滝駅を徒歩にて出発します。





最初の行程は、こちら。
白滝駅から、国道333号(遠軽国道)をひたすら北東へ歩き、旧白滝駅を目指します。
距離は、鉄道の路線で言うと6.1km。大体、1時間強かかる予定です。
国道は石北本線とも並走しているため、時おり線路やそこを通る列車も見る事ができます。





道は歩道があり、きちんと雪かきされているため、雪を気にする事なく歩く事ができます。
また、天候は曇りがちですが晴れ、気温も暖かめと、歩くには絶好のコンディションです。





ただし、一たび路地に入るとこのように、雪がそのまま深く積もった状況が続いています。





基本的には、広い道沿いに歩いてさえいれば、普通に歩く事ができます。





時には、雪の中を静かに流れる川の風景も楽しめます。
徒歩の旅だと、こういう風景をゆっくり存分に間近で見る事ができるのが最高ですよね。





線路沿いに歩いていると、このように雪に埋もれてしまった踏み切りをしばしば見かけます。
おそらく、利用者が皆無のため、冬季は閉鎖されてしまっているのでしょう。





引き続き、国道沿いに歩いていきます。





先ほどより道が広くなり、歩道も歩きやすくなりました。





国道から眺める線路。





歩きでの旅は全く苦でなく、自らの足でまさに「旅をしている」という実感が沸きます。





こちらの踏み切りはきちんと雪かきされており、横断が可能になっています。





踏み切りから、進行方向を望みます。
このように、歩きながら気になるものを見かけたら、どんどん近寄ってレポートしていきます。





川を渡る線路。





歩いても歩いても、道路と雪と線路。
白滝シリーズを1日で巡るためのやむ無しの徒歩とは言え、これもまた楽しい旅の形ですね。





途中、白滝発電所の標識を見かけました。
ぜひ言ってみたいところですが、道を1km以上も外れてしまうため、やめておきます。





こちらの踏み切りは、きちんと舗装されています。





踏み切り横断中に、1枚撮影。
こういう写真を一度撮ってみたかったんですよね。

線路を眺めたところで、再び国道に戻ります。





国道でも、この構図。
でも、北海道の道路は直線が多く、車もスピードを出しているため、ビクビクしながらの撮影でした。
まぁ、あまり回数やるものではないですね。





道はまだまだ真っ直ぐにひたすら続きます。





道端に、大量の太陽光パネルが見えてきました。





どうやら、民間の会社が太陽光事業の一環として設置している発電所のようです。





設置されたパネルは約800枚、発電規模は150kwとのこと。
(500wの電子レンジ300個分の電力という計算になりますね)





これだけ雪が降り積もっていても、太陽の光さえあれば発電できるというのも、考えてみれば凄いものです。
まぁ、雪国だと日照時間が短いので、効率の面で言ってしまうとイマイチなのでしょうけどね。





再び国道に戻り、また進んでいきます。すると・・・





道端に「旧白滝」の標識を発見しました。
恐らく、旧白滝駅はもうまもなくでしょう。





すると、線路の向こう側に、何やら小屋らしきものが見えます。
おぉ! あれが旧白滝駅に違いない!
現在の時刻は11時52分。予想通り、白滝駅から大体1時間強かかった計算になります。
早速、近づいて駅の様子を拝見するとしましょうか。

・・・でも、今は先客と思しき人々が記念撮影をしている様子。
もちろん、人がいても駅を見る事は可能ですが、秘境駅と言われる駅を訪れる時は、やはり一人っきりが理想。
仕方ないので、駅周辺を先に散策しておく事にします。





旧白滝駅のすぐ近くにある踏み切り。
何という名前なのか、気になって調べてみると・・・





墓地

何だよ墓地って。 ここに死体が埋まっているのか? 怖いって。
どうやら、この道路を真っ直ぐ行った所に旧白滝墓地があるということで墓地だそうです。





そんな墓地を眺めていると、先客達が用を済ませたようなので、一人でじっくりと駅を堪能するとします。





まずは、駅のホームから撮影。
一応、雪かきはされているようです。





旧白滝駅舎。というか待合室。
1947年(昭和22年)に仮乗降場として開業した時に立てられた、木造の建物です。
中の様子を見てみます。





廃止まであと5日。
様々な人たちの想いが書き連ねられています。





駅舎内の掲示板。
掲示板には、「1日1本 次はない」と書かれた新聞記事が貼ってあります。
これは、旧白滝駅を定期利用するただ一人である、地元の女子高生を取材した記事です。
この生徒は今年の3月で高校を卒業しており、それとともに当駅が廃止となることでも話題となりました。





その「1日1本 次はない」状況の時刻表。
見ての通り、下り方面は7時16分発の網走行きのみです。
一応、下り線は3本あるんですけどね。





旧白滝駅の運賃表。

駅舎を出て、様々な角度から旧白滝駅を撮影してみます。





























駅の周りを一しきり撮影し、消え行く駅をしのぶ事ができました。
「これで最後」と考えてしまうと、いつまででもいたい気分にもなりますが、そういうわけにも行かないので、この辺で次の目的地に向かう事にします。





さらば、旧白滝駅。
駅そのものが無くなっても、人々の記憶にはその姿が残り続ける事でしょう。



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本格活動開始:1998年

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