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JR完全乗車の旅JR complete

2016年1月10日(日) 土讃・予土・予讃線の旅(1)


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四国一周の旅、2日目。
今日も、昨日に引き続き天候に恵まれるようで、雨の心配も無いとのこと。
日本の風景は、どこも雨でも雰囲気が出て良いのですが、それでもやはり見晴らしが良い方が景色としてもよりよいし、雨だと何より移動が面倒になりますからね。
今日も、荷物から傘を取り出す必要は無さそうです。





早朝の琴電琴平駅。そして・・・





JR 琴平駅
今日も場違い的に光り輝いております。





初詣で賑わう観光地の駅も、さすがに早朝はひっそりと静まり返っています。





現在5時38分。
本日、初めに乗る列車は、6時09発の高松行き。

・・・少し早く来すぎたかな?
まぁ、乗り遅れるよりはいいし、しばらくはこの観光地の雰囲気にひたっているとしよう。





本日の列車の旅は、琴平駅からスタート。





高松行きの列車に乗車します。しかし、高松は昨日も行った駅。
そもそも、四国一周するには、逆方向の列車に乗車していることになります。
もちろんこれには理由があって、私個人としては、どうしても下車しなければいけない駅があるのです。





それは、琴平を出て15分程で到着した、ここ多度津駅。





駅そのものは何の変哲も無い造りなのですが、駅を出てすぐ目に付くモニュメントにその理由があります。





ここ香川県多度津町は、「少林寺拳法発祥のまち」として知られているのです。
私自身、多少なりともこの武道に関わっていたこともあり、是非訪れてみたいと思っていました。


そもそも少林寺拳法は、世間一般の人がイメージする中国の「少林寺」とは全く関係がありません。
日本生まれの開祖・宗道臣(そうどうしん)は、戦後の荒廃し弱肉強食の状況にあった日本を目の当たりにし、「これからは次代を担う若者の育成に力を注ごう」と感じ、釈尊の正統仏教の教えを説き始めたとのこと。

しかし、人々は今日の食い物の確保がやっとな状況で、飯の種にもならないような宗教に関心を示しませんでした。
その時に開祖は、古来に菩薩達磨がインドから中国に正統仏教を伝える際、教えだけでなく体を鍛錬する方法も併せて伝えていたとの話を知り、
「そうか、人に正統仏教の教えを伝えるための手段として、武道も教えればよいのだ!
と思い立ち、そうして作られていったのが少林寺拳法の数々の武術だったわけです。


教えを説くだけでは自分を守れずに教えも守れないし、武道だけで教えが無ければただの暴力となってしまうしで、「宗教」と「武道」というのは、実は親和性が高いのかもしれませんね。
武道自体が辛く厳しいものなので、続ける理由である「宗教的教え」があった方が、挫折者も少なくなるでしょうし。

とにかく、1947年にここ多度津から始まった少林寺拳法は、日本だけでなく世界へも広がり、その歴史はもうすぐ70年になろうかとしているわけです。





ちなみに、ここ多度津には現在も少林寺拳法の総本山があり、当駅がその最寄り駅となっています。
そちらへも是非行ってみたい・・・とはあまり思わないかな。もう長らくやっていないし。
武道のルーツの一端を垣間見ただけでも満足です。





さて、無事に聖地巡礼もしたことだし、本来の四国一周の旅へ戻るとします。





本日の入場印は、聖地「多度津」の印。
先ほどの琴平は、早朝で駅員がいなかったため、こちらでの入場となりました。
これを狙ったわけではないけど、聖地での押印は記念になりました。

ここからはまず琴平へ引き返すとします。





ホームに入場してきた列車。
・・・何?この不気味な色は。





列車に描かれた人形の数々。
いや、怖ぇよ、これ。
何でまたこんなラッピングにしてしまったんだか。
まぁ、乗ってしまえば外観は見えないからいいか。

とにかく、琴平行きの列車に乗車します。





琴平駅では、わずか4分の乗り換え時間。
既に入線している列車に、すぐに乗り込みます。

ここから終点の阿波池田までは、昨日の最後に乗った列車と同じ線路を引き返す形になります。





香川県と徳島県の県境に近い、讃岐財田(さぬきさいだ)駅。
この次の駅は、県境を越えて徳島県側の最初の駅である、坪尻駅です。
そう。昨日も下車した坪尻駅です。
今度こそ、下車したときに明るい中で写真を撮影しよう・・・と最初は思っていましたが、

車内アナウンス「この列車は、次の坪尻駅では停車いたしません。」

・・・まぁ、これもよくある話。
都会に住んでいると、普通列車は必ず各駅に停車と勘違いしていますが、普通列車にも通過駅はあります。
特に、坪尻のようなスイッチバック式の駅では、列車が最低2回の方向転換が必要となり、列車の速達性にも影響が出てしまうため、よく通過の憂き目に遭います。

ちなみに、琴平側から坪尻方面へ向かう普通列車のうち、当駅を通過するのは一日でこの列車のみです。
・・・仕方ない仕方ない。切り替えていこう。

とにかく、下車しての撮影が無理となったので、せめて通過するときの姿を動画でおさめておき、後で静止画としてキャプチャすることにしました。


やがて列車は、香川と徳島の県境のトンネルを抜け、山中の駅にたどり着きます。





おぉ、坪尻駅のホーム端が見えてきた!





坪尻駅の簡素な駅舎の様子が、昨夜よりもはっきりと確認できました。
人は・・・さすがにこれが朝一の列車のせいか、誰もいません。

ただ、本心としては下車して辺りを散策したいところですね。
幸い、琴平から数十分で来られて、鉄道での利便性は割りと良い駅なので、機会を見つけて下車しようと思います。





坪尻駅の次の箸蔵駅。





さらに隣の佃駅。
ここは、昨日に乗車した徳島線の終着駅でもあります。
現在乗車している土讃線は、ここからさらに続きます。





遠くには四国を代表する河川である吉野川が見えてきた辺りで、終点の阿波池田駅に到着しました。





終点の阿波池田駅に到着。

ちなみに、四国に来てから、やたらとアンパンマン関連のキャラクターが駅に多く見受けられるのは、作者である「やなせたかし」氏の父方の実家が、現在の高知県香美市の名家だったからだそうです。
この辺りでは今でも「アンパンマン列車」が走るなど、氏が地元にもたらした恩恵はかなりのものだそうです。





阿波池田駅外観。
シンプルながらも、洗練されて落ち着いた良いデザインですよね。

阿波池田と言えば、昨日見たイルミネーションはどうなっているかな?





へそっ子公園、再訪。





イルミネーションの跡。
昼間は電灯もついていないし、音楽も流れていません(当たり前か)。
人がいないのも、相変わらずです。
恐らく、地域のちょっとした行事なんかもここで実施されるのでしょうね。

さて、この阿波池田駅において、今回はなんと104分の待ち時間があります。
さすがに104分間もここで呆然としていても無為なので、一応は行き先を決めておきました。
その場所は、ここから歩いて25分ほどの所にあります。

歩いて25分というと結構な距離ですが、鉄道乗りにとってはこのくらい朝飯前。
今後も日記にしばしば登場しますが、列車の旅には長時間歩く力が不可欠です。
時には有意義な暇つぶしに、時には列車の乗り換えだったり。
とにかく、旅をしようと思っている人は、普段から歩くようにして、脚力を鍛えておくとよいでしょう。

なお、ここ阿波池田駅には幸いコインロッカーもあり、重い荷物を預けて身軽になってから散策をスタートしました。





昨日も見たアーケード街を抜け、目的の場所へ向かいます。





やがて見えてきた国道沿いを歩くと、ふと吉野川方向へ降りる道が現れます。





川沿いの道を降りていくと、吉野川と何やら建造物が見えてきます。





見ての通り、川に設置されたダムの施設です。
せっかくなので、ダムを見学してみようということです。





ダムの上には公道が通っており、川の向こう側まで自由に行き来できます。





ダムの上から見る吉野川。





朝8時半の日の光と、吉野川の雄大な流れ。
いやぁ、これは思いのほか良い眺め。駅から遠出して来た甲斐がありました。





川の上流方向。
四国は水不足に悩まされる地域のようですが、こうした施設のお陰で、それらも改善されてきているのでしょうね。





ここは徳島県三好市池田町なので、池田ダム。
ダムには中部電力が管轄する池田水力発電所も併設されており、最大で5,000kwの出力を誇るとのこと。





ダムには、船着場もありましたが、今は船は停泊していませんでした。





なお、吉野川はアユやコイ、ウナギ、ナマズなどが遡上することでもしられますが、ダム施設があるとそれができなくなってしまいます。
そこで、写真のような階段式の魚道が設置されており、きちんと遡上できるようにしているとのこと。
建造物は自然破壊につながるというイメージがありますが、共存の道もあり得るわけで、うまく棲み分けができていくとよいですね。





吉野川の景色や、普段あまり見られないダム施設を見学できて有意義な時間を過ごせました。
今後も時間等が許せば、駅周辺の施設を見学していこうと思います。





時間に余裕があるので、朝の穏やかな日差しの中、ゆっくりと散歩しながら帰路につきました。





阿波池田駅に到着。
程よく運動をするとともに、四国の風景を楽しむこともできました。





ここからは引き続き土讃線の列車に乗車。
終点の高知まではたっぷりと2時間半の旅です。





阿波池田駅を出てすぐに見られる、巨大なアーチ状の橋。
この橋の名前は・・・「池田へそっ湖大橋」とのこと。

いや、「へそっこ」はもういいよ・・・。





阿波池田駅から4駅、高知県との県境に近い場所にある小歩危(こぼけ)駅。
この駅、次の駅とのセットで特徴ある名前の駅ということで知られています。





列車は吉野川の渓谷を上流へ遡る形で進んでいきます。そして・・・





こちらは大歩危(おおぼけ)駅。
「おおぼけ・こぼけ」という事で、変わった名前の双子駅です。


※ちなみに小歩危駅の方ですが、2017年夏の「青春18きっぷ」ポスターに採用された駅でもあります。



「歩くと危ない」という名は、
山が険しいからでしょか。
渓谷に見とれてしまうからでしょうか。

旅情あふれる名の駅へ。



ふむ、駅の名前のせいか、キャッチフレーズはあまりピンと来ない感じかな。





列車は大歩危駅を出ると程なくして高知県に入り、その後も吉野川に沿いながら、山地を進みます。









土佐穴内駅。









吉野川は一級河川だけあって、上流へ行っても流域幅の広さを保っています。





やがて、鉄橋の上にある駅を発見。





土佐北川駅です。
単線区間が多い土讃線にあって、橋の上にありながら列車の行き違いが可能という、何とも変わった構造の駅です。
秘境駅とは言えなくても、こういう特殊な駅というのも、見ていて楽しいものですね。





やがて川を離れ、次第に山奥に入ってきました。





すると、唐突に線路が幾股にも分かれています。
という事は・・・当然ながらスイッチバックの駅が近づいているという事。
この写真で言うと、左前方が引込み線、右前方が高知方面の本線、そして右手前が駅方向です。





向こう側にホームの端が見えました!
でも、駅に入場するには一旦、方向転換してからとなります。





本線を横切りながら、山中深くのスイッチバックの秘境駅に到着します。





その駅とは、新改(しんがい)駅。





ここ新改駅は、朝に通った坪尻駅と並び、土讃線のスイッチバック2駅として知られています。
駅舎は、開業時(1947年)のものなので、もう築70年程経っていることになりますね。
新改駅も坪尻駅と同様、きちんと下車する予定を今後立てたいと思います。

列車は、運転手が前方の運転台に移動するまでの1分程、静かに停車する時間が流れた後、高知方面へ向けて動き出しました。





また一つ、再訪したい場所を増やしつつ、列車は進行します。





次の土佐山田駅。
この辺りから平地が広がってきます。





阿波池田からおよそ2時間半、終点の高知駅に到着しました。





ここ高知駅では、次の列車まで7分間しかなく、当然観光などはできません。
トイレに行ったり、買い物したりするなど、最小限のことができるのみです。





それでも一応、駅前の様子をおさめようと思い、カメラを向けます。





JR高知駅の表示と、駅前に並ぶ3体の像。
多分、龍馬とかその辺りの維新の偉人が並んでいるのでしょうけど、詳しく見るのはまたの機会にします。





次なる列車は、窪川行き。
これを乗り切れば、長い土讃線の旅も終了します。





列車が出発し、高知駅が徐々に遠ざかっていきます。





わずか7分間の滞在。
でも、これまでにもこういう一瞬のみの出会いだった駅は数多くあります。
今後も旅を重ねて、時にはゆっくりと滞在できたらよいものです。





列車は、山を望みつつも平地をひた走ります。





途中の須崎駅。この辺りから・・・





土佐湾を望む風景を見ることができます。





気候は穏やかで波はほとんどありません。





いかにも南国、という雰囲気の落ち着いた海の風景を堪能できました。

さて、この辺りでお腹も減ってきたので、昼ごはんとします。
先ほど、高知駅で短い乗り換え時間ながらも購入した、駅弁を食すとします。





その名も「とさっ子駅弁」。
・・・何か、「へそっ子広場」を思い出させるネーミングですね。
四国の人って、大体センスが似通ってくるのでしょうか。





中身はこんな感じ。
ようは、高知の名産を並べた弁当のようです。
私はここぞという時には人の倍くらい食べる人間なのですが、最近は歳のせいか、こういうあっさりとした食事が恋しくなってくるんですよね。
無理して胃に物を入れても、消化のほうが追いつかないというか、あまり体調が良くなくなってしまうし。

とにかく弁当の味の方は・・・うん、なかなか旨い。
味付けもあまり濃すぎず、小腹を満たすにはちょうど良い感じです。


そんなこんなで、車窓からの風景や駅弁を堪能している間に、終点の窪川駅に到着しました。



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