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JR完全乗車の旅JR complete

2016年10月9日(日) 消え行く路線、三江線の旅


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今日は朝4時20分起床。
始発列車が6時頃ということと、駅から宿までの距離が割りとあるので、この時間の起床です。
当然ながら寝不足ではありますが、今日も1日、列車の旅を満喫できると思うと、それなりに頑張れるものです。

まずは朝食をしっかりとり、習慣である朝のシャワーを浴びるとします。





さぁて、昨晩も浴びたけど、改めて寝汗を流すとするか・・・。

・・・って、いくらお湯の蛇口をひねってもお湯が出ない!
正確には、お湯はでるのだけれど、かなり温い。
浴びられなくはなさそうだけど、普通のお湯と比べるとはっきり「冷たい」感じです。

そういえばこのホテル、使用者のレビューで「お湯が出るまでに時間がかかる」と書いてありましたが、それでも5分間、お湯のみを出し続けても水温は変わりません。
確かに時間はかかっており、事前の情報通りではありますが、じゃあいつになったらきちんとした水温になるかというと、それは不明。
昨晩はこんな事なかったのに、何故? ボイラーの調子が悪いのでしょうか。

どうする? フロントに電話して直してもらうか?
でも、昨日の様子だとこの時間は寝てるとのことだし、そもそもホテルの従業員を呼んだからと言って、すぐに直るとは思えません。
しかし、シャワーは浴びたいし・・・。

悩んだ挙句、温いお湯ではあるけど、強引に浴びることにしました。
幸い、本当の水よりは暖かいというのと、今がまだ夏に近い時期だったという事もあり、体が多少冷えた程度で、何とか体を清潔にするという役割は果たせました。

・・・やっぱり値段相応の宿だったな。
次にこっち方面へ来る時には、ここへは泊まらないようにしよう・・・。
こうして、私の完乗の旅データベースにまた一つ、地雷ホテルが追加されたのでした。





ぬるま湯シャワーと朝の肌寒い気候のせいで、体は冷え気味です。
宿から歩いたので、多少は体が温まったものの、早く列車に乗りたいものです。





万全の状態とは言えませんが、今日も列車の旅スタート。





まず今日は、昨日からの続きで山陰本線をひたすら進みます。





夜も白み、列車は京都の山間部を進行します。





福知山を出発して程なくすると、京都府から兵庫県へと移ります。





兵庫県の和田山駅。
奥に見える古い建物はかつての機関車庫で、写真左端には給水塔も見えます。





山間部の列車の旅と言えば、当然ながら登場するのが川との並走風景。
本日の川は「円山川(まるやまがわ)」です。





福知山から山や川の風景を楽しみこと1時間強、豊岡駅に到着しました。
今回の旅の計画段階では、ここ豊岡に泊まることも考えていたのですが、周辺に宿が少ないという事と、1日目で無理してここまで来ても全体の行程は変わらないという事から、福知山で一泊することにしていたという経緯があります。





豊岡駅から、さらに山陰本線を乗り継ぎます。





外は次第に、雨が降り出す天候になってきました。





雨模様の山間部の風景。
「絶景」という感じではありませんが、こういう風景を見ると、日常を忘れてホッと安らぐ感覚がありますね。
何気ない景色にも、旅の癒しがあるのだと思います。





やがて景色が開けてきました。
日本海が見えてくるまで、あと少しです。





海から程近い場所にある、竹野駅。
駅からは海が見えませんが、この駅を出発すると・・・





ついに日本海が見えてきました。





今日の日本海も、曇り模様。
というか、これまで完乗の旅をしてきて、晴れの日本海はまだ見た事が無いと思います。





日本海の断崖の上に建つ、その名も「鎧」駅。
本当は駅名標も撮影したかったのですが、今日乗った列車は快速運転につき、鎧駅は通過するだけでした。
ここからの景色は結構良いとのことなので、下車したい駅の一つです。





鎧駅を過ぎると、余部(あまるべ)橋梁を渡り、





隣の餘部(あまるべ)駅に至ります。
駅名「餘部」が、地名の「余部」と漢字が異なるのは、同じ兵庫県内にある余部(よべ)駅との混同を防ぐから、とのことです。

先ほどの鎧駅と当駅との間には、高さ40メートル以上ある余部鉄橋があったりと、この辺りの風景は見所満載なので、今後下車したい場所の一つです。
(過去、当日記でいくつか下車したい駅を挙げてきたので、またまとめようと思います)





餘部駅の二つ先の浜坂駅。
各駅停車の場合には当駅で乗り換えとなりますが、今回は快速運転の為、もう少し先の駅まで行きます。





終点の鳥取駅に到着。





駅構内に展示されている、「しゃんしゃん傘」。

・・・何ソレ?

調べてみると、ここ鳥取には「鳥取しゃんしゃん祭」という祭りがあり、その祭りの中で踊られる傘踊りにて用いられるものとのことです。
この傘、こう見えても人の背丈ほどの直径があり、祭りではこの傘を持った四千人程の人達が一斉に踊るのだそうです。
確かに、それは壮観な情景でしょうなぁ。

そんな美しい「しゃんしゃん傘」を見ながらも、小腹が減ってきたので、自販機でアイスを購入して食し、しばしの休憩をとるとします。





国内最長路線の山陰本線は、まだまだ続きます。
次なる列車は、同じく鳥取県の米子駅まで行きます。





鳥取駅を出てしばらくすると見られる、水尻池(みずしりのいけ)。
この池は昭和の終わり頃まで稲作に伴う干拓により、季節的潟湖(冬場のみ池が出現する池)だったそうです。
今では稲作は行われずに常に池であり、多くの渡り鳥が越冬する場所にもなっています。





途中の浜村駅。
「浜村温泉」として知られる駅とのこと。
ここを始めとして、鳥取県内には温泉街が数多く点在します。





車窓の遠くに見えるは、東郷湖。
かの有名な「羽合(はわい)温泉」がある場所です。

「昨日、ハワイに入ってきたよ~!(鳥取のだけど)」
という、昭和的ギャグでよく使用される場所でもあります。

私も以前、一度訪れたことがあるところです。





途中の倉吉駅。
東郷湖へのアクセス駅でもあります。

いつか完乗が一通り完了したとき、全国の保養地を訪れる旅でもしてみたいですね。





倉吉駅の2つ先の由良駅。
駅の構内には、名探偵コナンの看板があります。
と言うのも、この辺りはコナンの作者である青山剛昌氏の出身地であるからとのこと。





「コナン駅 <由良駅>」の駅名標。

・・・「コナン駅」ということは、全国に点在するというカタカナ駅の一つ!?

と言うことはなく、ここはやっぱり由良駅です。





遠くに見える日本海。





・・・と風車。
海岸地帯なので風邪が強いらしく、道中にはこうした風車がいくつも見られます。





昼に近くなった頃、本日3つ目の終着駅の米子に到着しました。
この米子駅と言えば・・・





境線の始発駅。
境港は、かの有名な妖怪漫画家の水木しげる氏の故郷として知られています。
そのため、ここ米子駅もいたるところに「ゲゲゲの鬼太郎」に関するオブジェが展示されています。





その境線の特設?ホーム。
詳細を紹介したいところですが、それは境線を訪れるときにしたいと思います。





米子駅からは、山陰本線をさらに乗り継いで、次の目的地まで向かいます。
この列車は益田駅行きですが、途中で下車することになります。




米子駅を出発して程なくして見えてきたのは、宍道湖(しんじこ)。
シジミが獲れることでも有名であり、全国のシジミの約4割がここ宍道湖で収穫されているとのことです。





その宍道湖のそばにある宍道駅。
「宍道」で「しんじ」という読み、まさに初見殺しですね。





宍道湖を後にしてしばらくすると、また日本海を望む景色が見えてきました。

















天候は穏やかであるものの、波は多少高く、一般的な日本海のイメージを思わせる景色が広がっています。





島根県のほぼ中央に位置する仁万(にま)駅。
私が今回の旅の目的地とする駅にも、近づいてきました。





途中の温泉津(ゆのつ)駅。
難読な駅名ではありますが、近くに温泉があるだろうことは、誰にでも予測できますね。





その温泉を訪れる目的なのか、この駅ではある程度の人数が下車していきました。

山陰本線をひたすら西に進む旅はその後も続き、いよいよ旅の本当の「出発地」である駅に到着しました。





その駅は、島根県の中央部にある江津(ごうつ)駅。
読みの特殊性もさることながら、長大なローカル線である三江線(さんこうせん)の始発駅にもなっています。
そう、この度の旅の目的は、三江線を完乗することです。





江津駅の三江線ホームにある駅名標。
そもそも、三江線はここ島根県の江津駅から、広島県の三次駅(みよしえき)を結ぶ108.1kmの路線です。
敷設工事が始まったのは大正時代でありながら、全通したのが1975年(昭和50年)という、非常に長い期間かけて完成した路線でもあります。
しかし、昭和50年というと既にモータリゼーションは全国各地に広がっており、公共交通機関としての需要は高くなく、事あるごとに廃止候補路線に名前が挙がってきました。

県境の深い山中を通る関係上、これまでに幾度も大雨等による不通があり、その都度、多額の費用をかけて復旧してきましたが、やはり需要の少なさという根本的な問題解決ができず、ついに2018年3月いっぱいでの廃止と相成ってしまいました。

そんな状況にもある訳で、いくらあと1年半あるからといっても、台風等が来たら再び路線不通、そのまま廃止という危険性は常にあります。
昨日の言葉を繰り返しますが、「いつまでも あると思うな 駅と路線」。
ちゃんと乗車できるうちに完乗を達成しておくとします。


さて、そんなローカル線をのんびりと味わおうと思ってホームを歩いていると・・・





見えてきたのは一両編成の車両。
・・・はいいとして、中は超満員!
あ~、やっぱりみんな廃止予定を聞いて乗りに来たか・・・。

ちなみにこの三江線、途中に他の路線との接続はなく、乗車時間は約3時間です。
・・・と言うことは、これから3時間はお立ち状態での乗車となります。
大変ではありますが、それでもせっかくの貴重な乗車を堪能しようと思います。





超満員の状態で、列車は江津駅を出発しました。
私が確保できたのは、ロングシート前、つり革につかまりながらの立ち位置でした。
この先、乗降客はほとんどいないと予想されるので、立ち位置は3時間ほぼこのままでしょう。





三江線は、一級河川である江の川(ごうのかわ)に沿ってひたすら進みます。
江の川は、江津を出発して進行方向左側に見えることが多く、その左側をキープできたのは、まだ幸いなところでした。





江津線はひたすら3時間、山と川の景色を楽しませてくれます。
素晴らしい景色の前では私の長い語りは蛇足となるので、以下、簡単な説明とともに江津線の旅を紹介します。





途中の川戸駅。









田津駅。









因原(いんばら)駅。
ちなみに、この因原駅には・・・





「剣舞」という愛称がつけられています。
この愛称ですが、三江線活性化協議会により、三江線の全駅にそれぞれ設定されおり、当然ながらその土地土地を代表する文化等に応じてつけられているそうです。





石見川本駅。





その名も「竹」駅。
こういう特徴的な名前の駅が失われてしまうのも、惜しいことです。





乙原(おんばら)駅。

















粕淵(かすぶち)駅。




潮(うしお)駅。





宇都井(うづい)駅。
この宇都井駅は、駅の構造がちょっと特殊です。





車窓から見た景色。
何となく高所を通行していますが、駅周辺から見上げてみると・・・





このように、高架状の線路に、駅が柱のように据え付けられています。
(写真はwikipediaより転載)
このような変わった形の駅ということで、「天空の駅」とも呼ばれています。
全国に点在する珍しい秘境駅の一つでもあります。
是非、下車して景色を堪能したいところですが・・・
列車の運行間隔が広く、一度降りると半日待ちは必至であることから、断念しました。
まぁ、訪問困難だから「秘境」なんですけどね。仕方なし。


そんな三江線の旅はつつがなく進み、3時間の旅もあっという間に終わった感じで終点に到着しました。





終点である、広島県は三次駅に到着しました。





今回の旅の目的である三江線、無事に完乗完了。
できればもう一回くらいは、人の少ない時期に来たい気持ちはありますが・・・難しいかもしれませんね。





三次駅からはすぐに広島行き列車に乗車します。
ここからの芸備線は、既に昨年秋の旅で完乗済みの路線です。





三次から広島までは約2時間の旅。
ただ、周囲は真っ暗だし、三江線の長い立ち乗車で疲れていることもあり、たっぷり2時間は睡眠時間となりそうです。





2時間後、広島駅に到着。
道中、ほとんど起きることなく熟睡できました。
完乗の旅は長く果てない旅でもあります。
時には休息し、「いざ」という時の為に体調管理するのも肝要です(本当ですよ!)。





ちなみにこちらは、山陽本線ホームの駅名標。
広島が今日の終着駅なのは確かですが、明朝はここを通過してしまうので、今のうちに撮影しておきます。





今日も一日、鉄道尽くしでした。





広島駅前。
広島は昨年の旅でも訪れており、今回で2回目。





広島は路面電車が通る都市としても知られています。
あの原爆被害にあった時にも、走っていたことでも知られています。
前にも言いましたが、全国各地の路面電車を巡る旅も、いつかしてみたいですね。





「月が綺麗ですね」と語りかける相手は無く、一人、宿への道を歩きます。





宿の部屋に到着。





当然、風呂もあるし、お湯も出る! 
明日の朝もお湯は出る
たぶん出ると思う
出るんじゃないかな
ま、ちょっと覚悟はしておけ


とにかく、長旅の疲れを癒しつつ、明日に備えるとします。
明日は旅の最終日であるとともに、連休の最終日。
無事に帰宅することを第一目的として、旅を締めくくりたいと思います。





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